売却前の書類は、①相続人と登記名義、②土地・建物と費用、③空き家特例の確認書、の3つに分けます。名義を先に確認し、次に固定資産証明等と物件資料、最後に特例の対象可能性を確認しましょう。「被相続人居住用家屋等確認書」は全売却に必須ではなく、発行されても特例適用が確約される書類ではありません。
親の家を相続すると、戸籍、登記、固定資産税、売買契約書、税の確認書と、似たような書類名が一気に出てきます。全部を最初からそろえようとせず、「誰が売れる状態にするか」「どんな家かを説明するか」「税の特例を申告するか」に分けると、東久留米市役所、法務局、税務署、不動産会社の役割が見えます。

最初に作るのは「名義」「物件」「税特例」の3ファイル
| ファイル | 代表的な資料 | 何を確認するか | 主な相談先 |
|---|---|---|---|
| ①名義・相続 | 登記事項証明書、遺言書、戸籍・除籍、遺産分割協議書、本人確認書類など | 所有者、相続人、持分、売却に同意する人 | 東京法務局田無出張所、司法書士、必要に応じて弁護士 |
| ②物件・費用 | 固定資産税納税通知書、評価証明・公課証明・名寄帳、購入時契約書、測量・境界・建築・修繕資料など | 土地・家屋の範囲、取得費の資料、毎年の負担、建物状態 | 東久留米市課税課、不動産会社、土地家屋調査士等 |
| ③税特例 | 被相続人居住用家屋等確認申請書と様式別添付書類、譲渡所得の内訳書、登記事項証明書等 | 特例の対象可能性、譲渡方法に合う様式、申告期限 | 東久留米市環境政策課、管轄税務署、税理士 |
ここに挙げたのは代表例です。遺言の有無、法定相続か遺産分割か、共有者の人数、建物を残して売るか取り壊すかで必要書類は変わります。原本を処分せず、まず写しやPDFで一覧を作って相談先ごとに不足を確認してください。
東久留米市の相続登記は東京法務局田無出張所が管轄
法務省によると、相続登記は2024年4月1日から義務化されています。相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内の申請が基本です。2024年4月1日より前に始まった相続で未登記の不動産も対象となり、同日より前に取得を知っていた場合の期限は2027年3月31日です。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になることがあります。
東久留米市の不動産登記の管轄は、東京法務局田無出張所です。売却査定は登記前でも相談できますが、契約・引渡しへ進むには、誰が所有者として手続きするのかを明確にする必要があります。遺産分割が決まらない、相続人の一人と連絡が取れない、遺言の解釈に迷う場合は、不動産会社だけで結論を出さず、司法書士や弁護士へ切り分けます。
固定資産の「評価証明」「公課証明」「名寄帳」は目的を確認して取る
東久留米市では、固定資産評価証明書、公課証明書、名寄帳兼課税台帳を市役所本庁舎2階の課税課で扱っています。各連絡所では取り扱っていません。評価証明書と公課証明書は、土地・家屋それぞれ1通300円で、1通につき土地5筆、家屋5棟まで記載されます。名寄帳は1通300円で、当該年度の縦覧期間中は無料です。
相続人が申請する場合は、申請書と本人確認書類に加え、戸籍謄本や遺産分割協議書など、相続人であることを確認できる書類が必要です。郵送申請にも対応しています。共有名義や私道があると証明書の通数が増えることがあるため、手数料を送る前に課税課へ確認すると安心です。
名称が似ていますが、どれを取るかは提出目的で変わります。評価額を示したいのか、固定資産税・都市計画税の額を確認したいのか、所有資産を名寄せして探したいのかを、司法書士、不動産会社、税理士など提出先へ先に聞きましょう。納税通知書が手元にあれば、物件の所在、地番、税額を確認する入口になります。
「被相続人居住用家屋等確認書」は何のための書類?
これは、相続した空き家の売却で、一定の要件を満たす場合に使える譲渡所得の特別控除について、確定申告時の添付資料となる確認書です。東久留米市が発行できるのは、市内に所在する相続空き家に限られます。売却そのものを許可する書類ではなく、すべての相続空き家売却に必要なものでもありません。
2024年1月1日以後の譲渡では、東久留米市の案内上、家屋または家屋と敷地を譲渡する「新様式1-1」、取壊し等の後に敷地を譲渡する「新様式1-2」、売買契約に基づいて譲渡後の所定期限までに耐震改修または取壊しを行う「新様式1-3」に分かれます。自分で様式を決め打ちせず、契約前に譲渡方法を不動産会社と共有し、環境政策課・税務署へ確認してください。
申請・交付窓口は東久留米市役所5階の環境政策課です。確認書は窓口または郵送で交付され、発行まで通常1週間から10日ほどかかります。不備や案件の内容によってはさらに日数を要します。そして、市が明記しているとおり、確認書の交付は税特例の適用を確約するものではありません。
国税庁の空き家特例は「最高3,000万円」だけで判断しない
国税庁は、一定の被相続人居住用家屋またはその敷地を、2027年12月31日までに売り、期限・譲渡対価・家屋状態などの要件を満たす場合、譲渡所得から最高3,000万円を控除できると案内しています。相続人が3人以上で、2024年1月1日以後に譲渡する場合は1人あたり最高2,000万円です。
「相続開始から約3年以内なら必ず使える」という制度ではありません。国税庁の期限は、相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日までで、譲渡対価が1億円を超える場合など対象外となる条件があります。被相続人が老人ホーム等へ入所していた場合も別の要件があります。売却価格や解体時期を決める前に、税務署または税理士へ適用可能性を確認してください。
相談先は「一番詳しい人」ではなく、判断する役割で分ける
| 相談先 | 主に確認すること | 持参・共有したいもの |
|---|---|---|
| 東久留米市 環境政策課 | 被相続人居住用家屋等確認書、空き家相談、空き家バンク | 所在地、譲渡方法、相続日、選びたい申請様式 |
| 東久留米市 課税課 | 評価証明、公課証明、名寄帳の申請 | 地番、本人確認書類、相続関係書類 |
| 東京法務局田無出張所・司法書士 | 登記名義、相続登記、申請書類 | 登記事項証明書、戸籍類、遺言・遺産分割資料 |
| 税務署・税理士 | 空き家特例の適用可否、譲渡所得、取得費、確定申告 | 相続日、売却予定条件、購入時資料、確認書関係資料 |
| 不動産会社 | 建物を残す・現況売却・解体後売却の比較、査定、販売条件 | 登記・税資料の写し、鍵、建物状態、残置物、希望時期 |
売却前の具体チェックリスト
- 登記事項証明書で所有者名義と住所を確認した
- 遺言書、戸籍、遺産分割状況、相続人全員の意向を確認した
- 固定資産税納税通知書を探し、地番と課税対象を確認した
- 評価証明・公課証明・名寄帳のどれが必要か、提出先へ確認した
- 購入時契約書、測量・境界・建築・修繕資料、鍵を探した
- 空き家期間、利用状況、残置物、雨漏り・設備不具合を写真に残した
- 空き家特例の対象可能性、申請様式、申告期限を市・税務署等へ確認した
- 確認書の通常1週間〜10日の発行期間を売却予定に織り込んだ
相談担当メモ
宅建士5年目の相談担当として、相続空き家では「書類がないから査定できない」と考え込む前に、手元にある資料と専門家に取ってもらう資料を分けます。戸建てなどの保有経験とDIY好きの視点から、建物を直すか壊すかも、現況を見ないまま決めません。登記や税の結論は司法書士・税理士等へつなぎ、不動産側では売却方法と期限を並べるのが役割です。
よくある質問
相続登記が終わるまで、不動産会社へ相談できませんか?
相談や現況把握は先にできます。ただし、売買契約・引渡しまでの手続には名義の整理が必要です。登記の見込み時期を司法書士と確認し、売却予定と並行して進めます。
固定資産評価証明書があれば査定価格が決まりますか?
決まりません。固定資産評価額と市場での売却価格は用途が異なります。査定では立地、土地形状、接道、建物状態、需要、売却条件なども確認します。
被相続人居住用家屋等確認書は売る前に必ず取りますか?
すべての売却で必要な書類ではありません。特例を検討する場合に、譲渡方法に合う様式と申請時期を環境政策課・税務署等へ確認し、必要な証拠資料を売却前から保存します。
確認書が発行されれば、3,000万円控除を使えますか?
確約されません。確認書は申告時の添付資料の一つで、最終的な適用可否は国税庁の要件と個別事実に基づき判断されます。相続人が3人以上の場合の上限にも注意が必要です。
遠方に住んでいても固定資産証明を取れますか?
東久留米市は郵送申請を案内しています。申請書、本人確認書類、返信用封筒、定額小為替、相続人の場合は戸籍等が必要です。共有・私道で通数が増えることがあるため、事前に課税課へ確認してください。
税務・法務の注意
この記事の書類一覧は代表例で、個別案件の必要書類を網羅するものではありません。相続人間の合意、遺言の解釈、相続登記、抵当権、境界、譲渡所得、空き家特例の適用は状況で変わります。個別の税務、法務、ローン判断は、税理士、司法書士、弁護士、金融機関などへの確認が必要です。
参考にした公式情報
- 東久留米市「被相続人居住用家屋等確認書」の発行について
- 東久留米市「固定資産関係申請書」
- 東久留米市「固定資産関係証明・閲覧」
- 法務省「相続登記の申請義務化について」
- 東京法務局「不動産登記/商業・法人登記の管轄区域一覧」
- 国税庁 No.3306「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
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相続不動産・空き家の売却相談ページから、町名までの所在地、亡くなった方の名義のままか、相続人の人数、空き家期間、希望時期、手元にある書類を分かる範囲で送ってください。宅建士5年目の相談担当が、不動産会社に先に見せる資料、市・法務局・税務署等へ確認する事項、査定前に保留してよい作業を分けます。個人情報は最小限でよく、いきなり売却を決める必要はありません。
将来の動画テーマ:東久留米市の相続空き家で、売却前の書類を3ファイルに分ける方法。
